「応用をやるには、基礎をやれ!」 サッカーもノーベル賞も!
中山です!
今回はあなたの能力を開花させる、一番の近道をお伝えしようと思います。
基本の重要性について、お話を聞いていきましょう!
U8の試合で考えさせられたこと
懇意にさせて頂いている高校サッカーの指導者は、毎年バルセロナで自らが指導するチームと合宿を張っています。
そこで彼はU8の試合を観たのですが、考えさせられることがあったそうです。
何より日本と違っていたのは、コーチが子供たちに非常に細かく指示を出し、フットボールを教えこんでいることだったそうです。
日本ではこの年令の子供には『球遊び』で楽しんでもらい、それが『団子』であってもドリブルを鍛えるいい機会として、むしろ推奨する指導者も多いのが現状です。
自由な発想が持ち味じゃ?
スペインの指導者が子供にサッカーを教え込んでいるとを聞くと
「スペイン人選手は自由な発想が持ち味じゃ?」
と不思議に思われるかもしれませんが、スペインではこういう指導は日常的なことだといいます。
このことを自分流に解釈してみました。
基本原則を知っているかどうか
日本流のやり方の良し悪しはひとまず横に置いておき、スペインの行動原理はこういうだと思います。
分かりやすく説明するために、算数の授業を考えてみましょう。
「みんなここに30という数字があります。これが答えになる数式を作ってみてください」
と先生が問題を出します。さてどうすればいいでしょうか?
ただ子供たちがこの問題を答えるのには、いくつのかの前提があります。
九九がいえる、掛け算、割り算を理解できている。
そうでなければ
「1+1+1+1+1…」
と30回足し算を繰り返すことになります。
予め九九が頭に入っていれば、それが5×6、6×5だということがすぐに分かります。
九九を知らずに、ただ30という数字だけ与えられても子供はどうしていいのか分かりません。
割り算が分かっていれば、300÷10と答えることもできます。
つまり、30という素材だけ与えても、それを料理する基本原則を知っているかどうかで、それ自体の理解は格段の差が生まれるということです。
サッカーに置き換えると
子供にボールとピッチだけ与えて、それでただドリブルをしろというのではなく、原理原則をしっかり刷り込んでおき、そこから自分でその解決法を探すのがサッカーだという考え方を理解できると思います。
この場面は5×6を使ってもいい。
別の場面は2×15。
いざというときは300÷10。
その時々に子供が自分で判断をすればいい。
ただその前提になる原理原則は徹底的に叩きこむ。
それがヨーロッパの基準ということなんだと思います。
基本の重要性
そうして憶えた基本原則は、どれだけレベルが上っても変わらないものであり、上にいけばいくほど、基本の重要性は増してきます。
中3にもなって数学で
「1+1+1+1+1…」
とやっていたらこれは大問題だと分かりますよね。
ところがサッカーの場合は、それが問題視されません。
やはりそれは指導者が、その重要性を理解できていないからだと思います。
日本人にノーベル物理学賞受賞が多く、世界で見ても非常に優秀な国民です。
もしかしたらそれは九九を通じて数字の原理原則をよく理解できているからかもしれません。
じゃあ、日本のノーベル賞受賞者に創造性はなかったですか?
いやむしろ誰も考えなかった発想で、世界を驚かせ続けているじゃないですか。
彼らはいわば学術におけるバロンドール受賞者です。
「応用をやるには、基礎をやれ」
とは、アジア人として初めてノーベル化学賞を受賞した福井謙一博士が、終生の師・喜多源逸氏より受け継いだ言葉です。
基本を徹底して教えこむことが、その能力を開花することになるということではないでしょうか?
サッカーには基本となる原理原則があります。
105×68メートルの広大なフィールドで起こることは決して偶然ではなく、起きたことに対処する方法は用意されているのではないでしょうか?
その引き出しを子供の頃から沢山作ってあげる。
それが指導者の役割だと思うのです。